夜空を見上げよう

×天体写真 ○電視観望 始めました。気づいたことをつづります。

AZ-GTi赤道儀化モードの試写

電視観望を始めて2年ほど経過しました。特にラズパイ4を手に入れてからは、自室からリモートで操作できるようになり、ベランダ観望が快適になってきています。
2月以降、銀河を撮影したくなるシーズンに入り経緯台モードでは欲求不満が高まってきていました。

そこで、遅ればせながらAZ-GTiを赤道儀化してみることにしました。ついでに、AstoroberryPi Serverを卒業して、Ubuntu 64bit版に移行しました。

 

NGC4565 2023年4月1日 2:34 – 3:57 月没 3:09
Light 60Sec*80(総露出 80分)
SkyWatcher EVOSTAR 72ED
Playerone Neputune-C II 
 GAIN 250 offset 10 Bias 80 Dark 50 Flat80
   Ubuntu Desktop (Raspberry Pi4) Kstars EKOS PHD2
ラズパイのOSをUbuntu 22.04 LTS 64bitに変更

赤道儀化するにあたって、これまでお世話になった32bitOSのAstroberry Serverを卒業することにしました。Raspberry PI を64bit OSで動かしたかったからです。

INDI Library のOS対応状況

  • Raspberry Pi OS   64Bit 現時点で未対応(32Bitのみ対応)
  • Ubuntu 22.04 LTS 64bit ○

ということで こちらのサイトを参考にさせていただき Ubuntu を入れました。

invisiblepotato.com

 

Kstar・EKOSの導入

Astroberry Serverは最初からインストールされていますが、Ubuntuはインストールしなければなりません。
インストール方法は、サイトに説明されています。

www.indilib.org

ここの通りにインストールすると動くようになります。

 

PHD2の導入

今回の赤道儀化では、オートガイダーを使用することになるのでそちらも導入します。
Windows パソコンではPHD2が有名ですが、これを導入しました。

極軸合わせの情報などが豊富なこのPHD2のほうが早く目標に近づけそうという判断です。

ターミナルモードで以下を実行しました。

sudo add-apt-repository ppa:pch/phd2
sudo apt-get update
sudo apt-get install phd2

これでインストールされました。
参考にさせていただいたのは、

Linux KStarts+Ekos 導入 (備忘録) | Welcome to Tak's blog

こちらには、Kstar・Ekosの導入も載っています。

 

リモートデスクトップの設定

私の自室のPCとリモート接続するためにXRDPサーバーを導入しました。
Astroberry ServerのときはVNC接続でしたが、Ubuntuでは設定されていないようでこちらのブログを参考にさせていただきました。

note.com

 

赤道儀化したシステム状況

赤道儀化した愛機 ダークを撮影していたら夜が明けました。

こんな感じで愛機をベランダに置き去りにして電視観望しています。また、今回の赤道儀化に加えて、風による振動対策も行いました。
写真に見えますように、三脚にストーンバッグを取り付け、2キロのダンベルを入れました。風による振動対策に加え、転倒しにくくなりました。さらに、自動車のケーブルハーネスのごとく、カメラ、オートガイダー、フォーカサー、AZ-Gtiの各コネクタケーブルをまとめました。ケーブルを途中1か所バンドで固定するだけで、風に煽られても振動しなくなります。また、ケーブルハーネス1本にまとめることで設置、撤収が素早くなり、保管も簡単になりました。

 

動作確認テスト

暗くなって、北極星に向けてシステムを設置しました。ただ、当方の場合は極軸合わせするにしても自室のデスクトップPCに表示されている画面とベランダの赤道儀の間を往復せねばならず、今回は断念。次回は、ノートPCを見ながら極軸合わせできるようにしたいと思います。

赤道儀として動作させたAZ-Gtiですがとくに問題なく、プレートソルビングでど真ん中に対象を導入してくれます。極軸のあっていない状態ですがPHD2を動作させるとキャリブレーション後にピタリと基準星を追い始めました。

PHD2 初動作の様子

赤緯(赤いライン)方向は、心電図のように規則正しく補正されていますが、まだ、さっぱり意味が分かっていません。とりあえず、そのまま試写に入っていきました。

 

対象はNGC4565

せっかくならとドブソニアンで見慣れたNGC4565を対象にして自動導入。プレートソルビングも正確に動作しています。60秒の写真80枚のライトフレームを撮ってみました。

画像処理ーフラットフレームが必須に

Sirilで画像処理しました。これまでは経緯台モードで写野回転している画像を重ねていたためフラットフレームは省略していましたが、今回、フラットなしでの画像では、カメラのゴミが映り込んでいるのが分かります。

カメラのガラス面についたゴミの写りこみ

 

撤収後に自室に保管中の望遠鏡はカメラも接続されたままなので、鏡筒に白いプラ袋をかぶせフラットフレームを追加で撮りました。EKOSではフラットフレームはキャリブレーションして自動撮影してくれます。(Neputune C-II 12bit ADU 値 4095に設定)

これをSirilのスクリプトOSC preprocessingで通常通りきれいに消去されました。

フラットフレームを重ねた状態

ステップバイステップでやってきましたが、これからは赤道儀モードが中心となりそうです。