ラズパイとKstars EKOS
私の周りにはラズパイを天体撮影に使っている人がいて、それぞれにいろんな機材で楽しんでいます。ラズパイのメリットは 屋外で高価なノートPCを天体望遠鏡に接続する必要がなくなり、車中や屋内のPCでモニターできるようになることです。結露対策も楽なのでおすすめです。
予算の都合(笑)でSVBONYやらSkyWatcherなどを使っているユーザーにとっても安価なラズパイ、フリーウェアのKstars、これまたフリーのSIRILという組み合わせは心強いかぎり。本当はPixInsightにしたいけれども、絶望的な円安でますます遠のいています。
私はAstroberry Piを使っていたのですが、64BitOS版が出てこないので、この1年 Ubuntu に乗り換えてKstarsを使用していました。
この度、このスクリプトでBookworm64bitも動いたよという情報を得て、私のPi4でもやってみました。
結論から言いますと、この中の指示どおりでで64bit版のBookwormでもソースからビルドして Kstars,EKOS,PHD2とも動きました。Ubuntuはもっさり重くなってきていたところでしたから、サクサク動いてくれたのが良かったです。これだったら、買い控えしていたPI5を買って移行するのもいいかもです。
私が追加インストールしたのは、GPSDというGPSをつなぐためのサーバーのみです。GPSモジュール自体もUSB接続のものを使用しているので、工作も一切なく動作します。
4月19日の夜から使い始めました。ただし、PHD2がガイド星をロストした後、PHD2が起動しなくなりました。また、ブラウザも画面が崩れていて利用できません。(XRDP経由のリモートデスクトップ接続時)Ubuntuのほうがより安定していると思いました。
うまく動作しない場合には、SDカードを差し替えてUbuntuにすればいいので気楽に構えています。
月齢10.7のM104 ソンブレロ銀河 黄砂付
さて この日の空は、黄砂により月の周りがひときわ明るくかすんで見えていました。シーイングが悪く、PHD2は乱れっぱなしでしたが、結局 SIRILは85枚すべてをスタックしてしまいました。月明り+光害があるのですが、対象が銀河なのでCBPで頑張ってみました。これ以上、ストレッチをかけると背景が荒れてしまうためここまでとしています。
ビフォー アンド アフター
当方のベランダは街中にあって春霞のシーズンは黄砂、地上光と月明りで悪条件が重なっています。CBPフィルターだと余計にひどく拾ってしまうようです。スタックした画像を開いたときに、余りのひどさに絶句してしまいました。QBPフィルターはそれだけ効果があったんですね。
合言葉は、北が上!
どこまで救済できるかやってみました。SIRILに付属する画像処理ルーチンを使用しています。PixInsightと同等のものが多く実装されています。まず、背景の傾斜を外して、カラーキャリブレーション。StarRecompsitionで手動ストレッチして、あらかたの処理を終了。最後に方位を確認して回転させて、TOPAZ DeNoiseでノイズを補正。次にGIMPトーンカーブによるコントラスト補正を経て、Jpegに変換して終了です。
方位の調整については、90°回転させるだけでそれなりになるのが、SV605CCのIMX533スクエアフォーマットの良いところですね。
当方の西向きベランダでも銀河が撮影できるようになってきましたので、次の新月が楽しみです。CBPフィルターをもう少し使いこなせるようになりたいものです。