夜空を見上げよう

×天体写真 ○電視観望 始めました。気づいたことをつづります。

強光害のもと、CBPフィルターとGraXpert3.0.0 AIモードを使う

GraXpert 3.0.0

当地は光害地ですからQBPフィルターを当たり前のように使用していました。しかし、M33の撮影で銀河の広がりの不足を感じてCBPフィルターを使い始めたのですが、どうしても光害がより強く写りこんでしまいます。

4月末にフリーソフトGraXpertがAIを実装したので早速使ってみました。きれいに背景傾斜が除去され感心しました。しかもAI任せなのでフルオートで補正してくれます。補正後のノイズ除去もあり、SiriLのものより使いやすいし結果も良いと思います。

 

しし座の三つ子銀河

CBPフィルターを使うことでQBPフィルターとは全く違う印象の仕上がりとなりました。もちろん、背景傾斜を除去する強力なツールGraXpertが頼りです。

 

しし座の三つ子銀河
2024年5月2日  22:20-24:27 Light 60Sec*120(総露出120分)
 GAIN 180 offset 10 Bias 85 Dark 85 Flat 85
CMOSセンサー温度 -5.0°C
サイトロン CBPフィルター  
SkyWatcher EVOSTAR 72EDII SVBONY SV605CC
AZ-GTi Raspberry PI OS Bookworm (Raspberry Pi4) Kstars EKOS
SV305 PHD2 Siril 1.2.0
Graxpert 3.0.0 Background Extraction
SriL StarX
GIMPトーンカーブ補正

三つ子銀河は今回初めて撮影しました。ドブではいつも訪れていた名所で、視野に3つの銀河が収まった様子に加え、自分の網膜に直接銀河の放つ光子が当たっていることを実感して喜んでいたものです。M65やM66は眼視のモノクロームのイメージしか記憶になかったので、今回の写り具合がとても新鮮に感じています。一方、背景の荒れを隠すためコントラストを上げ過ぎて、NGC3628の広がりが薄くなってしまったのが残念なところです。

以下がビフォーです。

処理前のオートストレッチ

三つ子銀河のアノテーションも入れておきます。

アノテーション

もしかしてCBPフィルターがなくても・・・

いろいろやっているうちに、フィルターはごく普通にIRカットフィルターにして、このGraXpert だけでも行けるんではと思いつきました。光害地でだれかやってみませんか!